40代男性がやる気出ない理由|仕事疲れだけで片づけない見方
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日曜の夜、明日の仕事を考えると、体がずっしり重くなる。
別に嫌な上司がいるわけでもない。
大きなトラブルを抱えているわけでもない。
なのに、やる気が出ない。
私はこの状態を、3年近く「仕事のせい」で片づけていました。
中間管理職の疲れだろう、と。
WEB上でも、同じように「やる気がない自分がおかしいのか」「これは甘えなのか」と問いかけている声を何度も見かけます。
でも、調べていくうちに気づいたことがある。
40代男性の「やる気が出ない」には、仕事のストレスとは別の、体の変化が関わっていることがあります。
テストステロン(男性ホルモン)の低下です。
1. 「仕事のせい」で片づけると、見えなくなるもの
やる気が出ないとき、真っ先に疑うのは仕事の環境だと思います。
上司との関係、チームのトラブル、長時間労働。
もちろん、それらが原因であることもある。
ただ、40代になると、もう一つの可能性が加わってくる。
仕事の内容が変わっていないのに、以前の自分とは明らかに違う。
この「同じ環境なのに、自分だけ変わった」という感覚があるなら、仕事の外側に原因があるかもしれません。
テストステロンは、筋肉や性機能のホルモンと思われがちですが、実は意欲・集中力・気分の安定にも関わっている。
これが下がると、やる気が低下するのは、体の仕組みとして自然なことでもあります。
2. テストステロン低下と、意欲の関係
少し専門的な話になりますが、大事なことなので整理します。
テストステロンは30代後半から年に1〜2%ずつ低下するとされています。
40代後半では、20代ピーク時の70〜80%程度まで下がっている人も珍しくない。
日本泌尿器科学会・日本Men's Health医学会の「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)診療の手引き」では、テストステロン低下に伴う精神症状として、以下が挙げられています。
- 意欲・やる気の低下
- 集中力の低下
- 気分の落ち込み、抑うつ傾向
- いらだち(イライラ)
- 不安感の増大
つまり、「やる気が出ない」は、男性更年期の症状のひとつとして医学的にも認識されているということ。
根性や気合いの問題ではなく、ホルモンの変化が影響している可能性がある。
この視点を持っているかどうかで、自分への向き合い方がかなり変わると思います。
3. やる気の低下に「重なっていないか」を見る
テストステロンの低下が背景にある場合、やる気の低下は単体で起きにくい。
ほかの変化と同じ時期に重なっていることが多い。
たとえば、こういう組み合わせ。
- 朝起きても疲れが抜けない日が増えた
- 些細なことでイライラする、家族に強く当たる
- 性欲が明らかに落ちた、朝立ちが減った
- 体重が増えた、特に腹まわりに脂肪がつく
- 趣味や好きだったことに興味がわかなくなった
「やる気が出ない」に加えて、上のような変化が2つ以上重なっているなら、仕事だけの問題ではない可能性が出てきます。
1つだけなら環境やストレスで説明がつくかもしれない。
でも複数が同じ時期に重なっているなら、体の内側で何かが変わっている合図として見たほうがいい。
イライラとテストステロンの関係は、こちらで詳しく整理しました。
疲れが抜けない側面が強い方は、睡眠負債とテストステロンの記事も参考になると思います。
重なっているサインが気になったら
やる気の低下だけなのか、疲れ・体型・性機能の変化も同じ時期に重なっているのか。まず全体を見渡しておきたいなら。
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4. 「甘え」で終わらせない、生活の見直し
では、どうするか。
いきなり病院に行くのはハードルが高い、という人も多いと思います。
まずは、テストステロンが反応しやすい生活の導線を3つ整えてみる。
① 睡眠を「長さ」より「質」で見直す
テストステロンは主に睡眠中に分泌される。
睡眠時間が6時間未満の状態が続くと、テストステロン値が有意に下がったという研究報告もあります(出典:Leproult & Van Cauter, JAMA 2011)。
まず寝る時間を30分早める。
寝る前のスマホを減らす。
この2つだけでも、質は変わりやすい。
② 週2回、息が上がる運動を入れる
筋トレや早歩きなど、ある程度の負荷がある運動は、テストステロンの分泌を促すとされています。
スクワット・腕立て・プランクの3種目を自宅でやるだけでも十分に始められます。
③ 飲酒を「休肝日」から見直す
アルコールはテストステロンの分泌を抑える方向に働く。
毎晩の晩酌が習慣になっている人は、週に2〜3日抜くところから試してみる価値がある。
やめる必要はない。減らすだけでも、朝の体感が変わってくることがあります。
どれも地味な話です。
でも、テストステロンは生活習慣に反応しやすいホルモンでもある。
やる気を「気合い」で出そうとするより、体のコンディションを底上げするほうが、結果的に近道になる場合があります。
5. 生活を整えても変わらないなら、数値で確かめる
上の3つを1〜2か月続けても変化がないなら、一度テストステロン値を測ってみる意味があると思います。
相談先は、男性更年期外来や泌尿器科。
血液検査でテストステロンの数値を測れば、「気のせい」か「体の変化」かが、客観的に分かる。
それだけでも、自分を責め続ける時間が減ります。
「気分の問題かもしれない」と感じるなら、心療内科やメンタルヘルスの相談も選択肢に入ります。
テストステロン低下と抑うつは症状が重なる部分があり、どちらが主因かは医師の判断が必要です。
受診前に整理しておくべき5つのことは、こちらにまとめました。
同じ低下から来る「男としての自信」の揺らぎについては、こちらの記事で整理しています。
6. まとめ:仕事のせいにする前に、体の側を見る
整理します。
40代男性の「やる気が出ない」には、仕事のストレスだけでは説明しきれない原因が隠れていることがあります。
テストステロンの低下は、意欲・集中力・気分の安定に関わるホルモンの変化として、医学的にも知られている。
やる気の低下が単体ではなく、疲労・イライラ・性欲低下・体型変化と重なっているなら、体の内側から見てみる価値がある。
まず生活の導線を3つ整えてみて、それでも変わらなければ、数値で確かめる。
自分を「甘えだ」と責めるのは簡単です。
でも、それで何年も過ぎてしまうのは、もったいない。
仕事のせいにする前に、一度、体の側を見てみる。
それが、いちばん冷静な入口だと思います。
立て直す前に、自分の現在地を知る
やる気だけでなく、疲れ・体型・性機能のサインも重なっていないか、まとめて確認しておきたいなら。
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7. 出典
- 日本泌尿器科学会・日本Men's Health医学会「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)診療の手引き」
- 厚生労働省「e-ヘルスネット — 男性更年期障害(加齢男性性腺機能低下症候群)」
- Leproult R, Van Cauter E. "Effect of 1 week of sleep restriction on testosterone levels in young healthy men." JAMA. 2011