「男性更年期かもしれない」と思ったあと、最初にぶつかる壁がある。
何科に行けばいいのか、分からない。
内科でいいのか、泌尿器科なのか、心療内科なのか。
WEB上でも「とりあえず内科に行ったが、異常なしと言われて終わった」という声は少なくない。
私も最初、近所の内科に行くべきか迷いました。
結果的に、泌尿器科に直接行ったのは正しかった――と、あとから気づいた。
この記事では、男性更年期の相談先を診療科ごとに整理する。
どこに行くかで、検査の内容も、その後の選択肢もかなり変わります。
結論:第一選択は泌尿器科
男性更年期(LOH症候群)の診療で、最も対応力が高いのは泌尿器科です。
理由は明確で、日本泌尿器科学会と日本Men's Health医学会が共同で「LOH症候群診療の手引き」を出しており、診断と治療のガイドラインを持つ診療科だから。
泌尿器科を第一選択にするメリットは3つある。
- 遊離テストステロン(FT)の血液検査ができる — 男性更年期の判断で重視される検査項目。一般の内科では測定しないことが多い。
- AMS問診票による症状評価ができる — 身体・精神・性機能の3領域を点数化する質問票で、重症度の目安になる。
- 前立腺の確認を同時にできる — 40代以降に気になる前立腺肥大やPSA検査も、泌尿器科なら同じ受診で対応できます。
「男性更年期かも」と思ったとき、泌尿器科に行けば検査と診断の両方を1か所で完結できる可能性が高い。
これが、最初の選択を泌尿器科にする最大の理由です。
泌尿器科以外の選択肢を整理する
泌尿器科が第一選択とはいえ、症状や状況によっては他の科が合うこともある。
それぞれの診療科で何ができて、何ができないのかを整理しておきたい。
内分泌内科
ホルモン全般を専門に扱う内科。
テストステロンだけでなく、甲状腺ホルモンやコルチゾール(ストレスホルモン)の検査もできるため、「ホルモンのどこがズレているのか」を幅広く調べたい場合に向いている。
ただし、内分泌内科を標榜するクリニックはそれほど多くなく、総合病院の中に設置されていることが多い。
「男性更年期」を主訴にして内分泌内科を直接受診する場合、対応してもらえるかどうかは医療機関による。
予約時に確認するのが確実です。
メンズヘルス外来・男性更年期外来
泌尿器科の中に専門外来を設けている医療機関もある。
「メンズヘルス外来」「男性更年期外来」などの名称で、ホルモン検査・生活指導・必要に応じた補充療法までを一貫して行う。
専門性は高いが、自費診療中心のところもあるため、費用面は事前に確認したい。
保険適用で受けたい場合は、「保険診療に対応しているか」を予約時に聞くのが無難です。
メンズヘルス外来の検査内容や費用感を事前に知りたい方は、メンズヘルス外来では何をする?で詳しく整理しています。
心療内科・精神科
イライラ、不眠、意欲の低下、気分の落ち込みなど、精神面の症状が強い場合に選ばれやすい。
ただし注意したい点がある。
心療内科では通常、テストステロンの血液検査は行わない。
うつ病の診断基準で評価されるため、男性更年期が原因の場合でも「うつ」として治療が始まることがある。
もちろん、うつ病と男性更年期は併存する場合もあるし、精神面のケアが先に必要なケースもある。
ただ、体の変化――疲労、性機能の変化、体重増加――が同時にあるなら、まず泌尿器科でホルモンの状態を確認してから心療内科と連携する方が、回り道をしにくい。
一般の内科
「何科か分からないから、とりあえず内科」という判断は、男性更年期に関しては遠回りになりやすい。
一般の内科では、血液検査で肝機能・腎機能・血糖値などは調べてくれるが、遊離テストステロン(FT)は検査項目に入っていないことが多い。
結果として「数値に異常はありません」と言われ、何も分からないまま帰ることになる。
WEB上でも「内科に行ったけど、特に異常なしと言われた。でも症状は続いている」という声はよく見かけます。
症状がホルモンに起因するかどうかは、ホルモンを測らない限り分からない。
診療科ごとの比較
| 診療科 | テストステロン検査 | 保険適用の可能性 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 泌尿器科 | ◎(遊離+総) | 高い | 第一選択。検査と診断を1か所で |
| 内分泌内科 | ○ | 医療機関による | 甲状腺など他のホルモンも調べたい |
| メンズヘルス外来 | ◎ | 自費中心が多い | 専門的な相談・セット検査 |
| 心療内科・精神科 | ×(通常なし) | 高い(精神科領域) | 精神面の症状が最も強い場合 |
| 一般の内科 | ×(通常なし) | 高い | 他の病気の除外のみ |
※対応範囲は医療機関によって異なります。予約時に「男性更年期の検査をしたい」と伝えて確認するのが確実です。
受診前に自分の状態を整理しておきたい方へ
どの科に行くにしても、今の症状を言語化しておくと問診がスムーズになります。
予約の電話で何と伝えるか
診療科を決めたあとに、もうひとつ迷うのが予約の電話です。
「男性更年期」とそのまま言うのが恥ずかしいと感じる人もいると思う。
結論から言えば、「テストステロンの血液検査をしたい」と伝えるのが最もシンプルで確実。
受付にとっても検査内容が明確になるし、「対応しています/していません」の返答もすぐに得られます。
「倦怠感と意欲低下が続いていて、男性ホルモンを調べたい」と言い換えてもいい。
どちらにしても、受付で症状の詳細を説明する必要はない。
問診は診察室で医師に話せばいいので、電話では「何の検査をしたいか」だけ伝えれば十分です。
検査の費用が気になる方は、テストステロン検査の費用を先に確認しておくと、電話がしやすくなると思います。
検査後の治療にかかる費用は、男性更年期は保険適用?自費?で保険・自費の両面からまとめている。
受診先を選ぶときのチェックリスト
- 近くの泌尿器科に「テストステロンの検査ができるか」を電話で聞く
- 保険適用で受けたい場合は、予約時に確認する
- 予約は午前の枠が望ましい(テストステロンは日内変動がある)
- 気になる症状をメモしておく(いつから・どの程度・日常への影響)
- 服用中の薬があれば名前を控えておく
迷ったら泌尿器科。これだけ覚えておけば、相談先で迷う時間を半年短くできる。
私が遠回りしなくて済んだのは、たまたま先にこの情報に出会えたからでした。
受診前に整理しておきたいことがある方は、受診前に整理すべき5つのこともあわせて読んでみてください。
受診先を決めたあと、初診当日の流れを事前に知っておきたい方は、初診の流れもまとめています。
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・男性更年期外来の初診の流れ|受付・問診・検査の不安を整理 →
・メンズヘルス外来では何をする?40代男性が相談前に知る流れ →
・男性更年期セルフチェック10項目。47歳のリアル →
・テストステロン検査の費用はいくら?40代が受ける前に知ること →
出典・参考情報
- 日本泌尿器科学会・日本Men's Health医学会「LOH症候群診療の手引き」
- 日本泌尿器科学会
- 厚生労働省「医療費の仕組み」(保険診療の自己負担割合)