40代男性のAGA発症率は、約30〜40%と言われています。
つまり、3人に1人以上。
私の周りでも、40歳を過ぎたあたりから「最近、頭頂部が」「生え際が」という話を、酒の席でぽつぽつ聞くようになりました。
ただ、AGAの進行は、ある日突然はじまるわけではありません。
少しずつ、確実に、自分でも気づかないペースで進んでいきます。
だからこそ、自分の現在地を冷静に把握しておくことが、最初の一歩になります。
薄毛の嫌なところは、生活の中で何度も確認させられることです。
朝、髪を乾かすとき。
会社のトイレで鏡を見たとき。
家族写真で、自分の頭頂部だけが妙に気になったとき。
誰かに言われる前から、自分が一番気づいています。
ただ、気づいているのに、認めるのが少し怖い。
この記事は、その「見ないふり」を少しだけやめるための整理です。
1. AGAは「3つのパターン」で進行する
AGAの進行には、大きく分けて3つのパターンがあります。
M字型、O字型、U字型です。
M字型は、左右のこめかみ部分から後退するタイプ。
O字型は、頭頂部のつむじ周辺から薄くなるタイプ。
U字型は、生え際が全体的に後退するタイプです。
日本人男性で最も多いのは、M字型とO字型の組み合わせと言われています。
自分のパターンを把握すると、進行度の判定もしやすくなります。
ただし、自分の目だけで判断すると、どうしても甘く見ます。
私もそうですが、正面の鏡だけなら、まだ大丈夫に見える日があります。
でも、横からの生え際、上から見たつむじ、濡れた状態の頭頂部は、正面とは違う情報を出してきます。
AGAの確認は、正面だけでなく、角度を変えて見ることが大切です。
2. 自分のAGAを見分ける7つのサイン
ここからは、過去3ヶ月の自分を振り返って、当てはまるものをチェックしてみてください。
「たまたま抜け毛が多い日」ではなく、「以前より明らかに変わったか」を見ます。
40代になると、髪だけでなく、睡眠、ストレス、食事、頭皮環境も崩れやすくなります。
だからこそ、ひとつのサインだけで決めつけず、複数の変化を重ねて見るほうが現実的です。
- 枕についた抜け毛の量が、明らかに増えたと感じる
- シャワーの排水溝に溜まる毛の量が、以前より目立つ
- 髪を乾かしているとき、頭頂部の地肌が透けて見える
- 生え際が、以前より後退している自覚がある
- 同年代の同僚や友人と比べて、髪のボリュームが少ない
- 髪が細くなり、コシやハリがなくなってきた
- 家族(父・兄・祖父)にAGAの方がいる
7項目のうち、3つ以上当てはまるなら、AGAの可能性は無視できない段階です。
5つ以上なら、進行している可能性が高いと考えていいかもしれません。
特に見逃したくないのは、「髪が細くなった」という感覚です。
抜け毛の本数だけを見ていると、変化に気づきにくいことがあります。
でも、1本1本が細くなり、セットしても立ち上がらない、地肌が透ける。
こういう変化は、AGAの進行を考えるうえでかなり重要だと感じています。
3. ノーウッド分類で、進行度を見る
AGAの進行度を客観的に表す世界共通の物差しに、「ノーウッド分類(Norwood Classification)」というものがあります。
1型から7型まであり、数字が大きくなるほど進行度が進んでいる状態を指します。
- I型:ほぼ薄毛の自覚なし
- II型:生え際がわずかに後退
- III型:M字の後退が明確に
- IV型:M字と頭頂部の薄毛が同時に進行
- V型:M字と頭頂部の境界が薄くなる
- VI型:頭頂部と生え際の薄毛が連結
- VII型:側頭部と後頭部のみ髪が残る状態
画像で確認したい方は、「ノーウッド分類 画像」で検索すると、各クリニックがイラストで解説しています。
自分がどの段階に近いか、鏡で確認してみると、現在地が見えてきます。
ただ、分類に自分を無理に当てはめようとしなくて大丈夫です。
大事なのは、「自分は何型か」を当てることではありません。
半年前より進んでいるのか。
頭頂部なのか、生え際なのか。
どの角度で一番気になるのか。
そこを言葉にできれば、次に調べるべきことがかなり絞れます。
4. 写真で「半年前の自分」と比べる
一番確実な見分け方は、過去の自分の写真と比べることです。
スマホの写真を、半年前、1年前、3年前と遡って見比べてみてください。
理想は、同じ季節・同じ照明の写真です。
夏の海辺の写真と、冬の室内の写真では、髪のボリュームが違って見えるからです。
自分では気づかなかった変化が、写真ではっきり分かることがあります。
現実的なのは、月1回だけ同じ条件で写真を残すことです。
洗髪後に乾かした状態で、正面、左右、頭頂部を撮る。
これを続けると、感情ではなく変化で見られるようになります。
毎日見ると不安になりますが、月1回なら記録として扱いやすいです。
5. 受診を検討すべき4つのタイミング
AGAは、進行が止まらない疾患です。
ただ、治療の選択肢は数多く存在しています。
下記のような状態に該当する方は、皮膚科か専門クリニックでの相談を一度検討してみてもいいかもしれません。
- 半年前の写真と比べて、明らかに後退・薄毛が進行している
- 家族や同僚に、髪の変化を指摘されたことがある
- セルフチェックで5項目以上に当てはまった
- 市販の育毛剤を半年以上使ったが、変化を感じない
受診の判断材料は、別の記事「フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル|40代が知りたい違いと選び方」で、治療薬の比較を整理しています。
ここで大事なのは、焦って申し込むことではありません。
AGA治療は、始めると長期戦になります。
薬、費用、副作用、通院頻度、オンライン診療の範囲。
予約前に見るべき項目がいくつもあります。
不安なまま勢いで選ぶより、判断材料を並べてから動いたほうが納得しやすいです。
6. すぐに受診しなくても、できること
いきなりクリニックに行くハードルは、正直、高いです。
私自身、いまだに踏み切れていません。
受診前にできることとして、下記の生活習慣の見直しを並行してやってみる価値はあります。
- 睡眠時間を7時間以上確保する(成長ホルモンが分泌される時間帯のため)
- タンパク質を毎食しっかり摂る(髪の主成分はケラチンというタンパク質)
- 頭皮マッサージを毎日2分(血流促進)
- シャンプーを「洗浄成分の強いもの」から「アミノ酸系」に切り替える
これらで進行を止められるわけではありません。
ただ、AGAの進行を「これ以上加速させない」という意味では、続けて損はないと思います。
私は、生活習慣だけでAGAをどうにかできるとは考えていません。
ただ、睡眠不足、栄養不足、強いストレスが重なった状態で髪だけを気にしても、土台が弱いままです。
受診するにしても、しないにしても、まずは「髪が抜けやすい生活」を少しずつ減らす。
そのくらいの距離感が、40代には合っている気がします。
7. 出典
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
- 厚生労働省「e-ヘルスネット — 抜け毛・脱毛」
- Norwood OT. "Male pattern baldness: classification and incidence." South Med J. 1975